第69回カンヌ国際映画祭「監督週間
のオープニングを飾り話題となったイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督最新作。原作は、イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる大ベストセラー自伝小説「Fai bei sogni(よい夢を)。
原作に深い衝撃を受けたベロッキオは、大切なものを失った過去にとらわれ、まるで抜け殻のように人生を過ごしてきた男が、運命の出会いによって長い夢から目覚め、未来に向かって歩み出す姿を、巧みな語り口と演出によって描き出す。
フェリー二やヴィスコンティといったイタリアの往年の巨匠たちの作品が持つ品格を継承しながら、イタリアの今を探求し続ける現代の巨匠による意欲作が誕生した。
主演は、『ローマに消えた男』(13)、『おとなの事情』(17)などイタリア映画界を代表する人気俳優ヴァレリオ・マスタンドレア。女医役は、米アカデミー賞®にノミネートされた『アーティスト』(11)やカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した『ある過去の行方』(12)などその美貌と演技力が世界的に評価されているベレニス・ベジョ。さらには、アルノー・デプレシャン監督作品などで知られるフランス人女優エマニュエル・ドゥヴォスらが脇を固める。
希望に満ち溢れていた高度経済成長期の60年代と、30年を経た先行き不透明な90年代を往来して描かれる本作。古き良きイタリアの象徴として描かれる古都トリノは、主人公マッシモにとって幼少期のキラキラとした思い出の地であると共に、母親を失うという傷を負った地でもある。一方、現代の首都ローマは、青年となったマッシモが今を生きている場所だが、彼の心はそこにはなく、ただ思い出の中に生きている。しかし、ある運命の出会いによって彼は覚醒する。
戦後イタリアの光と影を背景に、二つの都市と二つの時間が交錯する中、ある愛の物語が綴られる。
戦後イタリアの光と影を背景に、二つの都市と二つの時間が交錯する中、ある愛の物語が綴られる。